田辺市議会 1995-03-02
平成 7年 3月定例会(第1号 3月 2日)
助 役 田 中 二 郎 君
収 入 役 山 崎 英 一 君
教育長 角 莊 三 君
総務部長 楠 本 薫 君
財政課長 藤 畑 富三郎 君
民生部長 辻 本 宏 君
理 事 日 尾 耕二郎 君
国保年金課長 森 啓 君
清掃事業所長 上 地 新 二 君
福祉事務所長 山 本 邦 弘 君
経済部長 室 井 修 一 君
水道事業管理者 谷 中 義 夫 君
企画部長 柴 田 修 君
企画調整課長 西 川 誠 君
農林水産部長 田 中 秀 章 君
建設部長 濱 名 賢 治 君
理 事 道 宣 行 君
消防本部予防課長 山 本 久 雄 君
教育次長 八 百 耕 貮 君
理 事 高 井 孝 次 君
理 事 清 水 節 雄 君
────────────────
〇
出席事務局職員
局 長 橘 勲
次 長 寺 本 千 秋
主 任 福 井 量 規
主 査 千 品 繁 俊
開 会
○議長(
熊野芳和君) それでは、
地方自治法第113条の規定による定足数がありますので、ただいまから本日招集の平成7年第2回
田辺市議会定例会を開会いたします。
(午前10時08分)
────────────────
◎
市長招集あいさつ
○議長(
熊野芳和君) この場合、市長から本
定例会招集の
あいさつのため発言を求められておりますので許可いたします。
市長、脇中孝君。
(市長 脇中 孝君 登壇)
○市長(脇中 孝君) 本日、3月
定例市議会を招集いたしましたところ、
議員各位には
大変お忙しい中、ご出席をいただき、まことにありがとうございます。
平成6年度もいよいよ年度末に近づいて参りましたが、私が市政を担当させていただきましてから、はや二年目を迎えました。今、地方自治体を取り巻くもろもろの情勢は大変厳しいものがございますが、本市におきましても、議員の
皆様方をはじめ、市民の
皆様方のご協力とご支援によりまして、ほぼ順調に市政の運営ができておりますことを心から感謝申し上げる次第でございます。これからも市民の皆様との対話と協調を大切にしながら、信念と情熱を持って
市政運営に取り組んで参りたいと決意を新たにいたしているところでございます。
議員各位におかれましても、今後とも
市政発展のため、一層のお力添えとご協力を賜りますようお願いを申し上げます。
さて、今議会におきましては、予算案22件、条例案21件及びその他の議案9件、並びに
報告事項4件のご審議をお願いする予定にいたしております。どうかよろしくご審議の上、ご賛同賜りますようお願いを申し上げまして、招集のご
あいさつといたします。
(市長 脇中 孝君 降壇)
開 議
○議長(
熊野芳和君) それでは、お手元に配付の日程により本日の会議を開きます。
(午前10時10分)
────────────────
◎報告
○議長(
熊野芳和君) 21番、
篠崎憲司君から遅刻の届出がありますので報告いたします。
◎諸般の報告
○議長(
熊野芳和君) この場合、
事務局長をして諸般の報告をいたさせます。
議会事務局長、橘勲君。
(
議会事務局長 橘 勲君 登壇)
○
議会事務局長(橘 勲君) 報告申し上げます。
去る2月23日付、田総第120号をもって市長から本
定例会に提案の議案として、2定議案第1号
田辺市立美術館建設事業基金条例の一部改正についてほか55件及び
議案参考資料の送付がありました。いずれもお手元に配付してございます。
以上であります。
(
議会事務局長 橘 勲君 降壇)
○議長(
熊野芳和君) それでは日程に入ります。
◎日程第 1
会議録署名議員の指名
○議長(
熊野芳和君) 日程第1
会議録署名議員の指名を行います。
会議規則第82条の規定により、本
定例会の
会議録署名人として13番 森 哲男君、14番
青木伸夫君、15番
稲沢勝男君、以上3人の諸君を指名いたします。
◎日程第 2 会期の決定
○議長(
熊野芳和君) 続いて、日程第2 会期の決定を上程いたします。
この場合、お諮りいたします。
本
定例会の会期は、本日から3月23日までの22日間と決定いたします。
これにご異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(
熊野芳和君) 異議なしと認めます。
よって、本
定例会の会期は本日から3月23日までの22日間と決定いたしました。
◎日程第59
大沢広太郎君の
議員辞職の件
○議長(
熊野芳和君) 本日、8番、
大沢広太郎君から議員の辞職願が提出されました。
この場合、お諮りいたします。
大沢広太郎君の
議員辞職の件を日程に追加し、日程第59とし、直ちに議題といたします。
これに異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(
熊野芳和君) 異議なしと認めます。
よって、
大沢広太郎君の
議員辞職の件を日程に追加し、日程第59とし、直ちに議題とすることに決しました。
○議長(
熊野芳和君) それでは、日程第59
大沢広太郎君の
議員辞職の件を議題といたします。
地方自治法第117条の規定によって、
大沢広太郎君の退場を求めます。
(8番
大沢広太郎君 退場)
○議長(
熊野芳和君) この場合、まず辞職願を朗読いたさせます。
議会事務局長、橘勲君。
(
議会事務局長 橘 勲君 登壇)
○
議会事務局長(橘 勲君) 辞職願を朗読いたします。
私儀、今般、一身上の都合により議員を辞職いたしたいので、
地方自治法第126条の規定により、許可されるよう願い出ます。
平成7年3月2日
田辺市議会議員 大沢広太郎
田辺市議会議長 熊野芳和殿
以上であります。
(
議会事務局長 橘 勲君 降壇)
○議長(
熊野芳和君)
議員辞職については、
会議規則第144条 第2項の規定により、討論を用いないで許否を決します。
この場合、お諮りいたします。
大沢広太郎君の
議員辞職を許可することに異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(
熊野芳和君) 異議なしと認めます。
よって、
大沢広太郎君の
議員辞職を許可することに決しました。
(8番
大沢広太郎君 入場)
○議長(
熊野芳和君) 8番、
大沢広太郎君にお知らせいたします。
あなたの
議員辞職の件については、許可されましたので、本席からお知らせいたします。
この場合、
大沢広太郎君から発言を求められておりますので許可します。
大沢広太郎君。
(
大沢広太郎君 登壇)
◎
大沢広太郎君
あいさつ
○
大沢広太郎君
あいさつの場を与えていただきまして、本当にありがとうございます。ただいま私の辞職をお認めをいただきまして、心から厚く御礼申し上げます。
私、昨年の7月、
市議会議員選挙に当選をさせていただき、この4年間、
市会議員として、市民の
皆様方のお役に立てればと、そういう決意で頑張って参りました。ところが、最近になりまして、
市民グループの代表の方がたから、「市民の審判を問うことのない選挙であってよいものか」との大きな声に、私も政治を志す者として、
脇中市政と県政とのパイプ役になれればと、出馬をする決心をいたしました。市民の
皆様方には、「市会で頑張れよ」と支援をしていただきました皆様に、本当に心からお詫びを申し上げたいと思います。
しかし、私は初心を忘れずに、
市政発展のために微力ではございますが、精一杯頑張っていきたいと思っています。平成2年の7月の
市会議員の選挙以来、4年7か月の間ではございましたが、
先輩議員の皆さんや
同僚議員の皆さん、市長はじめ市当局並びに
報道関係の
皆様方にいろいろと温かいご指導、ご鞭撻をいただきましたことを一生忘れることはできません。ありがとうございました。これからも微力な私でございますけれども、ご指導賜りますよう心からお願いを申し上げまして、甚だ簡単、措辞でございますが、私の
あいさつに代えさせていただきます。
本当にいろいろとありがとうございました。
(
大沢広太郎君 降壇)
(拍 手)
◎日程第 3 2定議案第 1号
田辺市立美術館建設事業基金条例の一部改正についてから
日程第17 〃 報告第 1号 平成6年度田辺市
土地開発公社の事業の計画の変更についてまで
一括上程
○議長(
熊野芳和君) 続いて、日程第3 2定議案第1号
田辺市立美術館建設事業基金条例の一部改正についてから、日程第17 2定報告第1号 平成6年度田辺市
土地開発公社の事業の計画の変更についてまで、以上15件を
一括上程いたします。
提出者の説明を求めます。
市長、脇中孝君。
(市長 脇中 孝君 登壇)
○市長(脇中 孝君) ただいま、上程されました議案は、条例の一部改正1件、
補正予算7件、その他7件で、その概要についてご説明を申し上げます。
まず、議案第1号
田辺市立美術館建設事業基金条例の一部改正については、
建設事業基金を今後の
美術館の運営に要する資金に充てるため改正するものであります。
議案第2号及び議案第3号の
工事請負変更契約の締結については、
芳養漁港修築(その2)工事及び(仮称)
田辺市立美術館新築工事の
変更契約の締結について、それぞれ議決をお願いするものであります。
議案第4号 土地の取得については、
内之浦地区干潟周辺整備事業用地として、
土地開発公社から取得するために議決をお願いするものであります。
議案第5号
市道路線の認定について及び議案第6号
市道路線の変更については、それぞれ道路法の規定により、議決をお願いするものであります。
次に、議案第7号 平成6年度田辺市
一般会計補正予算(第7号)につきまして、その概要をご説明申し上げます。
補正額は、1億1,798万3,000円でありまして、歳出の主なものを申し上げますと、まず、総務費では職員の
退職手当、
地方バス路線運行維持対策費の
補助金等、民生費では、国庫及び
県支出金の返還金、
医療扶助費等、衛生費では、
地域総合整備資金貸付金、
合併処理浄化槽設置整備事業費の
補助金等であります。
次に、
農林水産業費では、
樹園地農道整備事業費、
漁業集落環境整備事業費のほか、
畑地かんがい工事、農道等の
県営事業負担金等、商工費では
高度化事業利子補給補助金等、土木費では、田辺市、龍神村
道路組合及び田辺市、南部町、南部川村
道路組合負担金、
文乃里市営住宅浄化槽設置工事費のほか、県道、河川、港湾等の
県営事業負担金、
補助認証の減額に伴う
新庄総合公園建設費の減額等、消防費では、
退職報償金等、教育費では、
美術館運営基金への
積立金等、公債費では、
長期債利子の減額等、諸支出金では、
公共用地先行取得事業特別会計への繰出金を計上いたしております。
このほか起債の決定及び
事業認証の変更によるものをはじめ、
各種基金積立金の増額及び不用額の減額をいたしますとともに、年度内の
事業完了が困難となりました
廃棄物最終処分場建設事業など28事業の
繰越明許費のほか、
債務負担行為及び地方債の補正であります。
なお、今回の補正に要する財源といたしましては、
利子割交付金、
地方交付税、寄附金、市債等をもって充てるとともに、起債の充当率の
引上げ等により、財源に余裕が見込める見通しとなりましたので、
財政調整基金及び
減債基金からの繰入金をあわせて6億円減額することにいたしております。
次に、
特別会計でありますが、議案第8号 平成6年度田辺市
国民健康保険事業特別会計補正予算(第5号)は、
療養給付費等を、議案第9号 平成6年度田辺市
簡易水道事業特別会計補正予算(第2号)は、
水質検査手数料等を、議案第10号 平成6年度田辺市
同和対策住宅資金等貸付事業特別会計補正予算(第3号)は、
貸付件数減による減額を。議案第11号 平成6年度田辺市
農業集落排水事業特別会計補正予算(第5号)は、
事業認証減による減額のほか、
繰越明許費及び地方債の補正を行っております。
議案第12号 土地の取得については、
紀伊田辺駅機関区跡の用地を日本国有鉄道清算事業団から取得するため、議決をお願いするものであります。
議案第13号 平成6年度田辺市
公共用地先行取得事業特別会計補正予算(第2号)は、
長期債利子の補正を行うものであります。
次に、議案第14号 平成6年度田辺市
水道事業会計補正予算(第4号)は、
三栖右岸地区農業集落排水事業に伴う
水道管移設工事費等の補正であります。
報告第1号 平成6年度田辺市
土地開発公社の事業の計画の変更については、
当該法人から提出のあったものの報告であります。
以上、提案いたしました議案について、ご説明を申し上げましたが、詳細につきましては、
関係部課長から説明いたさせますので、ご賛同くださいますようお願いいたします。
平成7年3月2日
田辺市長 脇中孝
(市長 脇中 孝君 降壇)
○議長(
熊野芳和君) 続いて、
補足説明を求めます。
総務部長、楠本薫君。
(
総務部長 楠本 薫君 登壇)
○
総務部長(楠本 薫君) それでは、議案書に基づきまして
補足説明をさせていただきます。
まず、1ページから2定議案第1号
田辺市立美術館建設事業基金条例の一部改正について、
地方自治法第96条第1項第1号の規定により議会の議決をお願いするものでございまして、
提案理由といたしましては、
美術館建設事業基金を今後の
美術館の運営のために、
美術館運営基金に改めるものでございまして、積立額は3億7,663万9,000円でございます。
次ページに参りまして、2定議案第2号
工事請負変更契約の締結について、
芳養漁港修築(その2)
工事請負変更契約の締結について、議会の議決に付さなければならない契約及び財産の取得又は処分に関する条例第2条の規定により、議会の議決をお願いするものでございます。
工事名は、
芳養漁港修築(その2)工事。元
契約金額は、1億6,223万9,420円。
変更契約金額は、2億398万円。4,174万580円の増額でございます。請負人は、田辺市元町522番地の20
株式会社廣畑組 代表取締役廣畑忠司殿。
変更理由といたしましては、
異形ケーソン1函を追加製作する変更でございまして、本年度の
補助認証額の工事でございますので、工期等を考えた場合に、同一業者と変更すると。それから型枠その他の
使用質機材を転用使用することで工期の短縮が図れるという考えでございます。
2定議案第3号
工事請負変更契約の締結について、(仮称)
田辺市立美術館新築工事請負
変更契約の締結について議会の議決に付さなければならない契約及び財産の取得又は処分に関する条例第2条の規定により、議会の議決をお願いするものでございます。
工事名は、(仮称)
田辺市立美術館新築工事。元
契約金額は、9億3,259万7,020円。
変更契約金額は、9億3,931万9,830円。672万2,810円の増額でございます。請負人は、和歌山市雑賀屋町東ノ丁21番地東急建設株式会社 和歌山営業所所長小野和夫殿。
変更理由といたしましては、美術品の安全確保のために、各展示室五つございますが、これのドアに電気錠を設置すること等が主な理由でございます。
次ページに参りまして、2定議案第4号 土地の取得について、次のとおり
内之浦地区干潟周辺整備事業用地を取得することについて、議会の議決に付さなければならない契約及び財産の取得又は処分に関する条例第3条の規定により、議会の議決をお願いするものでございまして、取得場所につきましては、田辺市新庄町3233番1ほか14筆ございまして、面積は、6,394.86平方メートル、これは1,934.44坪でございます。取得予定額は、2億5,794万8,385円。坪当たり平均にいたしますと、つっこみでございますが、13万3,345円になります。契約の相手方は、田辺市
土地開発公社 理事長赤木勝太郎殿。
取得場所につきましては、別冊参考資料の1ページをご参照願いたいと思います。
2定議案第5号
市道路線の認定について、次のとおり
市道路線を認定したいので、道路法第8条第2項の規定により議会の議決をお願いするものでございます。
路線につきましては、新庄町北原線ほか4線でございまして、箇所につきましては、次のページから10ページまでをご参照願いたいと思います。
11ページに参ります。
2定議案第6号
市道路線の変更について、次のとおり
市道路線を変更したいので、道路法第10条第3項の規定により議会の議決をお願いするものでございます。新庄町名喜里長井谷線ほか7路線で、路線箇所につきましては、次のページから26ページまでをご参照願いたいと思います。
次に、27ページをお願いします。
2定議案第7号 平成6年度田辺市の
一般会計補正予算(第7号)は、次に定めるところによる。
(歳入歳出予算の補正)
第1条 歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ1億1,798万3,000円を追加し、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ274億9,577万5,000円とするものでございまして、あわせて
繰越明許費、
債務負担行為の補正、それから地方債の補正をお願いしてございます。
内容につきましては、48ページの歳出からご説明させていただきます。
48ページをお願いしたいと思います。
まず、一般管理費の485万9,000円の補正につきましては、主なものは、職員5名分の
退職手当等でございます。人事管理費の547万2,000円の減額の主なものにつきましては、職員研修事業の見直しによるものと精算見込みによる不用額を減額いたしております。
財産管理費の1,574万2,000円につきましては、当初予算計上の運用利率2パーセントを見込んでおりましたけれども、これを上回る運用ができましたので、補正をお願いするものでございます。以降、各目に同様の内容がございますので、この説明は、以降で省略させていただきたいと思います。
企画費の121万6,000円の減額につきましては、精算見込みとプランニング委託料が不用となり、減額するものでございます。備品購入費につきましては、引揚げ関係団体のハルマヘラ島会から10万円、それからスマンガット会から1万円のご浄財を財源に、備品の購入をいたすところでございます。備品につきましては、保管庫等を購入いたして活用させていただきたいと思っております。負担金につきましては、広域圏組合事務局の体制強化のための人件費の負担金を。
次ページに参りまして、南方熊楠翁顕彰事業費の298万円の補正につきましては、同顕彰事業に対しまして寄附金227万円、内訳は田辺市朝日ケ丘17の14の101 株式会社山幸 代表取締役榎本宇内様から100万円。それから小口寄附者で67件、127万円と基金運用の利息71万円を顕彰事業基金及び賞運営基金にそれぞれ積み立てるものでございます。
次の地籍調査事業費の減額につきましては、事業費認証の減に伴うものでございますし、諸費の1,012万6,000円の減額につきましては、精算見込みによる減額と地方バス路線運行維持対策補助金、当初2,200万円お認めいただいておりますが、精算見込みに伴う追加859万9,000円をお願いするものでございます。
賦課費の100万円の減額につきましては、入札差によるものでございます。
次ページに参りまして、県議会議員選挙費の18万円の減額につきましては、選挙日の執行日が4月9日に確定したこと等による経費の確定をいたすものでございます。
指定統計調査費の227万円の減額は、各種指定統計調査の精算による減額をいたしております。
次ページに参りまして、社会福祉総務費、これは償還金は国・
県支出金の返還金を。それから、ここでも次の4名の方々からのご寄附をいただいております。稲成町1705番地の澤田榮一郎さんから3万円。芳養町1900番地の谷口幸夫さんから3万円、上屋敷町95番地の岡安喜久仕様から5万円、元町4204番地の濱口弘さんから1万円の12万円を財源にいたしております。
次の身体障害者福祉費の減額につきましての主なものは、当初見込みに比べまして利用予定者が減ったこと等によるものでございます。
精神薄弱者福祉費の減額につきましては、当初見込比、同じく扶助費では、入所者減によるものでございます。
国民年金費の減額は、精算見込みによるものでございまして、児童福祉費につきましての減額は、当初見込比、利用者が減ったということでございます。
それから、次ページに参りまして、老人福祉費及び老人憩の家費につきましても、補助基準額の改定があったとか、入所者数が減ったとか、運営精算による減額を行うものでございます。
生活保護総務費につきましては、203万5,000円の補正をお願いしておりますが、訪問活動の機動力整備事業として、軽四輪車を2台認めていただくということから、それに関する所要の補正をお願いしております。扶助費につきましては、医療費の所要見込額が増加する見込みでございますので、補正をお願いしております。
次のページの保健衛生総務費1億616万円の主なものにつきましては、公立紀南病院組合の分賦金として、特別交付税の額が確定いたしましたので、275万7,000円の補正、それから老人保健施設整備事業利子補給補助金につきましては、現在、上秋津に建設中の老人保健施設あきつの及び新庄町に建設中の老人保健施設自彊館に対しまして、田辺市社会福祉施設等の整備に関する助成要綱に基づきまして、利子補給の補正をお願いするもので、内訳はあきつのさんに187万8,000円、自彊館さんに151万6,000円、合わせて339万4,000円。それから、貸付金の1億円につきましては、地域総合整備事業貸付金でございまして、ただいまの自彊館さんに、これは地総債の原資を借り受けまして、貸し付けるものでございます。
次の予防費の減額につきましては、各種事業実施の精算による減額をいたしております。
環境衛生費につきましては、当初と追加、合わせまして230基のお認めをいただいております、今回35基の追加をお願いするものでございます。
次ページに参りまして、し尿処理費の375万7,000円の補正につきましては、処理場建設がほぼ完成いたしまして、2月から試運転を行っておりますが、これに要する薬品費等の増加と建設費の増加、利子償還金の減などの調整を行った市の負担金を計上するものでございます。
次の農業振興費につきましては、水田営農活性化対策事業の追加認証に伴うものと各種補助金の精算による減額追加等をあわせてお願いしております。
農業構造改善事業費につきましての305万4,000円は、
補助認証事業費の減によるものでございます。
林業振興費につきましては、
補助認証の追加確定によるものでございます。
山村振興費の減額につきましては、紀州備長炭記念公園の炭窯築造工事の確定による減額と同公園県道側の進入路工事が県営事業として実施していただくことになったことによる減額でございます。
次ページに参りまして、農業土木総務費の6,093万4,000円につきましての補正は、各種県営事業の確定によるものでございます。
次の
樹園地農道整備事業費の4,922万8,000円の追加につきましては、ウルグアイ・ラウンド関連による国の三次補正による追加認証を得たことによる補正をお願いしておりまして、施行箇所につきましては、別冊参考資料の2ページをご参照願いたいと思います。
次の農村活性化住環境整備事業費の減額につきましては、昨年の国の景気対策による3月補正と平成6年度当初予算が重複計上ということで、ご理解いただいております部分の減額をいたすものでございます。
次の中山間地域農村活性化総合整備事業費の4,547万5,000円の減額につきましては、ただいまの農村活性化住環境整備と同じ理由によるものにあわせまして、ウルグアイ・ラウンド関連によります国の三次補正との調整をいたしたものでございます。
次ページに参りまして、農業集落環境整備事業費の505万6,000円の減額は、
事業認証の減額によるものでございます。
次ページをお願いいたします。
水産業総務費1,037万2,000円につきましては、各種県営事業の認証減による減額をいたしております。
漁港建設費の9,871万円につきましては、
補助認証の減額によるものでございます。
漁業集落環境整備事業費の2,970万円につきましては、認証事業費の追加によるものでございます。
次ページの商工振興費につきましての335万6,000円の減額は、協同組合紀南建工及び協業組合和歌山食肉流通センターの共同施設建設に伴う高度化事業利子補給補助金の補正と該当する各種補助事業がなかったことによる減額を。
それから、観光費につきましては、精算による減額を。
そして、共同作業場管理費につきましての369万1,000円の減額につきましては、共同作業場使用料及び同和対策基金積立金利子の歳入補正に伴う減額を。
土木総務費に参りまして、1億7,871万1,000円の追加補正につきましては、各種県営事業の確定に伴う負担金でございます。
次ページをお願いいたします。
道路新設改良事業費につきましては、科目更正を。
次の地域総合整備事業費の7,352万3,000円の減額につきましては、内之浦地区干潟周辺整備事業の河川改修事業区域の変更によります用地1,018.6平方メートルが減少したことに伴う減額を。
歩道新設事業費につきましては、科目更正を。
次ページに参りまして、水路新設改良事業費の1,652万5,000円につきましての減額は、補助事業の認証減に伴うものでございます。
次の港湾建設費の2,523万2,000円につきましては、
県営事業負担金の確定に伴う補正をお願いしております。
次ページに参りまして、街路事業費の2,610万6,000円の追加補正につきましては、扇ケ浜・秋津線、目良線、大戸線の事業費更正と県営事業の負担金の追加をお願いするものでございます。
新庄総合公園建設事業費の2億6,988万7,000円の減額につきましては、認証事業費の減額でございますし、森林公園建設費の1,150万円につきましては、森林公園が新庄総合公園に編入されたことに伴う減額でございます。
次ページに参りまして、住宅管理費のうち主なものといたしましては、天神団地の地質調査に600万円の委託料等をお願いするものでございます。
公営住宅建設費の1,468万6,000円の追加補正につきましては、市営住宅中芳養団地への進入路の法線変更に伴う事業の見直しと、同団地の集会所建築と浄化槽設置工事を県が実施してくれることとなります所要の科目更正をお願いしております。
住環境整備事業費の2,720万円の減額につきましては、御所谷地区の物件調査を平成7年度に行うことになりますための減額を。
それから、公営住宅整備事業費の主なものといたしましては、文乃里団地浄化槽の老朽化に伴う新設の
事業認証が得たことによる追加をお願いしてございます。
次ページに参りまして、常備消防費の146万3,000円の減額につきましては、うち旅費、需用費につきましては、今回の兵庫県南部震災に伴います神戸市への災害救助に派遣いたしました不足額を。それから、備品購入費の減額につきましては、総合気象観測装置等の入札差によるものでございます。
消防団費の731万5,000円の補正につきましては、報償費で退職報償金、これは当初見込みより、退団者が多くなったことによる追加をお願いするもの等でございます。
教育指導費の415万3,000円の減額の主なものは、賃金の減額でございまして、これは不登校児童生徒相談指導員の1名の職員が県費で配置されたことにより、不用となりましたので減額するものでございます。
次ページに参りまして、小学校の教育振興費、次の中学校の教育振興費ともに合わせまして、この中で図書購入費の財源にということで、故榎本はなさんのご親族で、和歌山市松が丘1丁目5の11 榎本雅夫様から、小学校に60万円、中学校に40万円のご浄財をいただきましたものを財源に、図書購入費に充当していくものでございます。
次の教育振興費の幼稚園就園奨励費補助金は、対象者が少なかったことによる減額をいたしております。
次ページをお願いいたしまして、社会教育総務費の減額につきましては、うち貸付金は、予定より申込者が少なかったこと等によるものでございます。
社会教育活動費の減額につきましては、補助金の青年団連絡協議会が平成5年度末をもって解散したことによる減額をいたしております。
美術館建設事業費の3億5,991万9,000円の補正の主なものといたしましては、
田辺市立美術館建設事業基金条例の一部改正に伴いまして、
建設事業基金を運営基金に改めるために行うものでございまして、このうち寄附金といたしまして、湊1012番地の浜口安太郎様から100万円をいただいておりますものをあわせまして、備品購入費より1,610万円の組み入れを行いまして、合わせて3億7,832万5,000円の基金積立を行うものでございます。
文化振興費の減額につきましては、補助金の精算に伴う減額をいたしております。
公債費のうち利子の2,600万円の減額につきましては、平成5年度から6年度に事業を繰り越したこと等による減額を。
それから、公債諸費の2,500万円の減額につきましては、当初、借入れを証券発行で予定しておりましたけれども、証書借入れに変更したものに伴う不用額を。
次の諸支出金の
公共用地先行取得事業特別会計繰出金につきましての68万2,000円は、長期債の利子、当初見込4パーセントを見込んでおりましたが、4.3パーセントということで、不足分を繰り出すものでございます。なお、今回の補正に要します財源といたしましては、
利子割交付金、交付税、市債等をもって充当いたしております。
次に、79ページをお願いいたします。
2定議案第8号 平成6年度田辺市の
国民健康保険事業特別会計補正予算(第5号)は、次に定めるところによる。
(歳入歳出予算の補正)
第1条 事業勘定の歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ3,058万3,000円を追加し、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ56億7,853万4,000円とし、直営診療施設勘定の歳入歳出予算の総額から歳入歳出それぞれ145万円を減額いたしまして、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ9,619万8,000円とするものでございまして、内容といたしましては、まず事業勘定の主な補正につきましては、81ページの療養給付費交付金は、退職被保険者等に係る歳出について、財源といたしましては、社会保険診療報酬支払基金からの交付金収入を見込むものでございますし、82ページに参りまして、療養諸費及び高額療養費は、退職被保険者等に対する保険給付に要するものでございます。
84ページの繰出金につきましては、国庫補助金の減少によるものでございます。
次に、86ページの直営診療施設勘定では、医療費につきましては、薬品代の不要によるものでございます。
87ページをお願いいたします。
2定議案第9号 平成6年度田辺市の
簡易水道事業特別会計補正予算(第2号)は、次に定めるところによる。
(歳入歳出予算の補正)
第1条 歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ101万7,000円を追加し、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ1,088万8,000円とするものでございまして、内容といたしましては、歳入では、長尾簡易水道の施設改修、これは受水槽とポンプでございますが、この財源といたしまして、基金からの繰り入れを。歳出におきましては、水質検査の法改正に伴います新たな水質項目が増加したことによる検査費用を補正するものでございます。
90ページをお願いいたします。
2定議案第10号 平成6年度田辺市の
同和対策住宅資金等貸付事業特別会計補正予算(第3号)は、次に定めるところによる。
(歳入歳出予算の補正)
第1条 歳入歳出予算の総額から歳入歳出それぞれ1,739万6,000円を減額し、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ6億3,196万2,000円とするものでございまして、併せて地方債の補正をお願いいたしております。
内容につきましては、この事業の借入者の自己都合によりまして資金の借入れを断念するケースや、また地域改善事業も、ほぼ完了の域に達していること等によりまして、件数が減少してきております。このようなことから、今年度当初には、住宅資金4件、これが5件に、宅地取得資金が4件から2件に、改修資金がゼロとなりましたので、これに伴う補正をお願いしております。
94ページをお願いいたします。
2定議案第11号 平成6年度田辺市の
農業集落排水事業特別会計補正予算(第5号)は、次に定めるところによる。
(歳入歳出予算の補正)
第1条 歳入歳出予算の総額から歳入歳出それぞれ5億7,382万4,000円を減額し、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ14億6,843万6,000円とするものでございまして、併せて
繰越明許費、地方債の補正をお願いするものでございます。今回の補正につきましては、昨年の国の景気対策による補正と、当初計上の部分の重複分の減額をいたすものと、それからウルグアイ・ラウンド関連農業農村緊急特別対策事業によります増額を調整しております。岩内地区で300万円、三栖左岸地区で1,426万円、中芳養地区で9,415万3,000円、上秋津川東地区で2億870万円、三栖右岸地区で1億7,588万7,000円、上芳養地区で41万5,000円、上野地区で7,410万円をそれぞれ減額するものでございます。
次に、102ページをお願いいたします。
2定議案第12号 土地の取得について、次のとおり日本国有鉄道清算事業団用地を取得することについて議会の議決に付さなければならない契約及び財産の取得又は処分に関する条例第3条の規定により、議会の議決をお願いするものでございまして、本件につきましては、2月臨時議会で予算をご認定いただいております。今回、この取得の契約についてお願いするものでございます。
場所は、田辺市湊729番4。面積につきましては、8,559.94平方メートル。2,589.38坪。取得予定価格は、4億4,939万6,850円。坪当たり17万3,553円。契約の相手方につきましては、日本国有鉄道清算事業団 近畿支社長瀧田正一殿。
次ページの2定議案第13号 平成6年度田辺市の
公共用地先行取得事業特別会計補正予算(第2号)は、次に定めるところによる。
(歳入歳出予算の補正)
第1条 歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ68万2,000円を追加いたしまして、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ4億6,536万1,000円とするものでございまして、本件につきましては、昨年度に購入しております三栖口の精算事業団用地の取得に係る利息の不足分、当初4パーセントが4.3パーセントということでの補正をお願いするものでございます。
次に、106ページの2定議案第14号をお願いいたします。
第1条 平成6年度田辺市水道事業会計の
補正予算(第4号)は、次に定めるところによる。内容といたしましては、水道事業収益2,664万3,000円につきましては、水道料金、それから口径別分担金等の増収見込額を。
次の水道事業費用につきましては、2,861万円でございますが、これは配水管の布設に伴う旧配水管の資産除却費、また減価償却費、支払消費税など、決算見込みにおける費用の増加をそれぞれ補正いたすものでございます。
次ページに参りまして、第3条 予算第4条中本文括弧書きを次のとおり改め、資本的収入及び支出の予定額を次のとおり補正するもので、括弧書きといたしましては、資本的収入額が資本的支出額に対して不足する額2億804万7,000円は、減債積立金取崩額1億3,816万6,000円、それから過年度損益留保資金6,988万1,000円で補てんするものでございまして、内容につきましては、水道事業資本的収入1,347万7,000円につきましては、農業集落排水事業に伴う負担金の受入れを。支出の水道事業資本的支出の1,308万5,000円につきましては、配水管移設工事費を計上するもので、工事箇所につきましては、別冊参考資料の12ページをご参照願います。
次に、111ページをお願いいたします。
2定報告第1号 平成6年度田辺市
土地開発公社の事業の計画の変更につきましては、次のとおりでございます。
この内容につきましては、115ページの実施計画でご説明申し上げます。115ページをお願いいたします。
収益的収入につきましては、事業収益として4,686万9,000円の補正を。これは準用河川馬谷川改修事業用地の処分による増額及び内之浦干潟周辺整備事業用地の処分延期による減額などであります。
事業外収益といたしましては、受取利息、使用料等の58万6,000円の補正をお願いするものでございます。
次ページの収益的支出につきましては、事業原価の5,241万円は先に事業収益でご説明いたしました処分地の売却原価の補正でございます。
次の販売費及び一般管理費の522万円は、人件費502万円の増額のうち、報酬61万5,000円の減額は、役員会の日数減を見込んだものでございますし、給料ほかは職員の給与改定に伴うものでございます。経費20万円につきましては、賃金の減額見込分と需用費の補正をお願いしてございます。
118ページに参りまして、資本的収入及び支出の支出13億1,086万6,000円は、そのうち土地取得費12億1,922万3,000円の増額は、内之浦周辺整備事業用地購入費の6億935万円と家屋補償費の5億4,167万8,000円。そして、上芳養中学校移転用地購入費の6,769万5,000円等でございまして、箇所につきましては、別冊参考資料の13ページから14ページをご参照願います。
土地造成費の9,164万3,000円は、職員の給与改定による19万2,000円の補正のほか、委託料の3,030万円につきましては、大屋地区土地開発地の確定測量の570万円、下三栖岩屋谷地区開発の公図訂正の1,040万円。芳養町松原川上流開発に伴う測量の1,420万円で、負担金につきましては、水道工事費負担金として、滝内西側地区で2,400万円、大屋地区で1,440万円を。道路工事費の負担金として、滝内西側地区で2,100万円を計上したものでございまして、箇所につきましては、別冊参考資料の15ページから16ページをご参照願います。この財源といたしましては、長期借入金をもって充当するものでございます。
以上で、
補足説明を終わらせていただきます。よろしくご審議の上、ご賛同賜りますようお願い申し上げます。
(
総務部長 楠本 薫君 降壇)
○議長(
熊野芳和君) 以上をもって、提出者の説明が終了いたしました。
ただいま議題となっております15件については、審議の都合上、後日審議願うことにいたします。
これに異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(
熊野芳和君) 異議なしと認めます。
よって、さよう決しました。
休 憩
○議長(
熊野芳和君) この場合、暫時休憩いたします。
(午前11時00分)
────────────────
再 開
○議長(
熊野芳和君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午前11時15分)
◎日程第18 2定議案第15号
田辺市議会議員の報酬及び
費用弁償等支給条例及び特別職の職員で非常勤のものの報酬及び
費用弁償に関する条例の一部改正についてから
日程第58 2定議案第52号 田辺市ほか6
カ町村青少年補導センター事務組合規約の変更についてまで
一括上程
○議長(
熊野芳和君) 続いて、日程第18 2定議案第15号
田辺市議会議員の報酬及び
費用弁償等支給条例及び特別職の職員で非常勤のものの報酬及び
費用弁償に関する条例の一部改正についてから、日程第58 2定議案第52号 田辺市ほか6
カ町村青少年補導センター事務組合規約の変更についてまで、以上41件を
一括上程いたします。
提出者の説明を求めます。
市長、脇中孝君。
(市長 脇中 孝君 登壇)
○市長(脇中 孝君) 平成7年度の予算大綱について申し上げたいと思います。
ただいま上程されました平成7年度予算案ほか、諸議案の審議をお願いするに当たり、私の市政に対する所信を申し述べ、市民の
皆様方のご理解を賜るとともに、特に議員の
皆様方のご指導とご協力をお願い申し上げたいと存じます。
まず、本論に入らせていただく前に、去る1月17日発生しました阪神・淡路大震災は、大都市を襲った直下型の大地震で、都市構造物の多数が倒壊し、加えて火災の発生等の二次災害により、多くの被災者を出す未曾有の大惨事となりました。ここに亡くなられました多くの方がたのご冥福をお祈りいたしますとともに、被災者の
皆様方に心からお見舞いを申し上げ、一日も早い復興を心からお祈りしたいと存じます。
この大震災に当たり、
議員各位をはじめ、市民の皆様におかれましては、被災地への義援金、救援物資、支援活動等の温かいお見舞いとご支援を賜り、
皆様方のご理解とご協力に対し、私からも厚くお礼を申し上げる次第であります。
さて、時移り、1990年代も後半を迎え、21世紀もいよいよ近くなって参りました。世界は今、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争、ロシアのチェチェン共和国進攻、中東問題、北朝鮮の核開発問題等々、変革期特有の不安定・不透明な状況におかれておりますが、他方ではEU(欧州連合)の拡大に向けての着実な進展、アジア諸国の経済発展等、新たな国際社会、国際秩序が構築されつつあります。中でもアジア諸国においては、その飛躍的な経済成長を背景に、わが国との関係が急速に深まりつつあります。
一方、国内においても不透明感を拭いきれない状況にありますが、そうした中で本年は「戦後50年」、焼け野原から再出発してちょうど半世紀という節目の年であります。この間、ご承知のとおり、わが国は、平和とかつてない繁栄を遂げ、世界第二の経済大国と言われるまでになりました。しかしながら、バブル経済の崩壊とそれに続く不況に加え、円高の進行やアジアの新興工業国の急成長に伴う産業の空洞化等の新しい問題が進行し、国内経済は大きな転機を迎えようとしています。このような情勢から、国は、経済基盤の充実等を図り、経済活性化を促すひとつの柱として、種々の規制緩和の方策を進めているところであります。新規事業の創出や新規企業の参入による競争の活性化、内外価格差の縮小、価格形成の多様化など規制緩和によるさまざまな効果は、日本経済を国際的にも開かれたものにし、均衡のとれた発展を促すものと考えられております。
このように、国際的にも国内的にも大きな転換期にあって、国においては、人びとが誇りと豊かさを実感できる国土の形成を目指し、第五次全国総合開発計画の策定に取り組んでおります。他方、本年は地方分権元年とも言われるように、地方分権が大きな政治課題となっており、地方が実情に沿った個性あふれる行政を展開するため強力に推進を図られる方向にありますが、地方としてもその受皿づくりが大きな課題となっています。
このように変革する時代にあって、田辺市が紀南の中核都市としての責務を果たし、周辺町村とともに大きく浮上するために、21世紀を確かに見据えながら、常に「地方分権への流れ」と「広域圏共生」を念頭に置いた取組みを進めるとともに、地域の特性を生かした活力あふれる産業の振興による「若者が定着できるまちづくり」と、高齢化社会に対応した福祉の充実と生涯を通じて十分な教育や文化が享受できる環境の整備による「安心して暮らせるまちづくり」に向けて取り組んで参らなければらないと考えております。
また、目前に控えている新南紀白浜空港の開港や高速道路の紀南延長などによって、田辺圏域を取り巻く環境は一段と整うことになりますが、さらに地方拠点都市法による具体的な事業の展開を図るほか、あらゆる制度を積極的に活用しつつ、国・県当局をはじめ各界各層のご支援をいただきながら力強く歩んで参りたいと考えております。
今、国内経済は緩やかながら回復基調をたどっており、明るさを取り戻しつつあります。しかしながら、平成7年度における国と地方の財政は、依然として厳しい運営を余儀なくされております。
国は、新たな時代のニーズに的確に対応し、豊かさとゆとりを実感できる地域社会の実現に向けて「公共投資基本計画」等の考えに沿った、生活に密接に関連した社会資本の整備、安心して暮らせるやさしい社会を創ることを目指しております。そして、高齢化・少子化に対応した福祉施策の展開、産業の活性化による活力ある地域社会づくりと地域環境の保全・創造、文化、スポーツを通じた地域振興の推進を重点にしております。
そのため、高齢化や国際社会における責任の増大など、今後の社会情勢の変化に財政が弾力的に対応できることを基本に、国の予算は対前年度比3.1パーセントの増加で、地方公共団体の財政の指標となる国の地方財政計画では、前年度比4.3パーセントの増となっております。
一方、本市の財政状況でありますが、平成5年度決算では、経常収支比率76.4パーセント、公債費比率14.3パーセントと、健全に推移して参りましたけれども、景気の低迷により税収の伸び悩みや交付税が十分に確保されない状況のもとで、財政運営は国と同様ますます厳しさを増しております。加えて、先般の阪神・淡路大震災により、国では被災地復興のため巨額の財源が必要となり、予算の組み替え等、先行き不透明なところがあります。こうした厳しい状況にありますけれども、私は現在の地方財政計画に沿った交付税措置のある起債の活用、
財政調整基金や
減債基金の取崩しにより財源を確保して、昨年度に引き続き積極的に事業を実施するとともに、行財政改革を推進しながら、
市政運営に最善を尽くして参りたいと考えております。
以下、施策の重点と主な事業の概要について、ご説明申し上げます。
新しい時代に挑むまちづくりでありますが、田辺市のまちづくりは、新たな段階に入ろうとしております。
紀南地域の中核都市として、また、拠点都市として本市が飛躍していくためには、それにふさわしいまちづくりを進めていかなければなりません。
そのための計画づくりが大切でありますが、これから10年の田辺市の進むべき方向と将来のあるべき姿について、基本的な指針となる第三次田辺市総合計画は、平成5年度から策定に取り組んで参りましたが、本年度中に完了いたします。この策定にあたっては、他の計画・構想との整合を図ることはもちろんですが、市民アンケートやまちづくり
論文などにより、広く市民の皆様からいただいたご意見を、可能な限り反映させるとともに、有識者で構成されている審議会の中で十分論議をいただいて参ります。
また、将来にわたって田辺市の均衡ある発展を図る上で、その土地利用の指針となる「第三次国土利用計画田辺市計画」も、本年度で完成いたします。
一方、一昨年、地方拠点都市法に基づき、本市を中心とした18市町村が「田辺・御坊地方拠点都市地域」の指定を受け、昨年その基本計画が承認されましたが、この指定に伴い、田辺・御坊両圏域においてそれぞれ10億円ずつの基金を造成し、その運用益で人材の育成や地域間交流、文化活動などの拠点都市地域振興のための各種ソフト事業を実施して参ります。
これからは人にやさしく、潤いとやすらぎが感じられるまちづくりを目指すとともに、災害対策にも十分配慮した総合的・計画的な整備が必要であります。
その一環として本年4月には、建設部に市街地整備室を新設し、本市の玄関口である田辺駅周辺の再整備と基本構想策定調査に取り組むとともに、アオイ地区0.6ヘクタール、銀座地区1.2ヘクタールの両区域において施行する沿道区画整理型街路事業を積極的に進めて参ります。
このほか、市街地の住宅密集地域における良好な住環境の確保を図るため、御所谷地区の住環境整備事業を推進するほか、造成しておりました中芳養地区の宅地と
土地開発公社施行による新庄町滝内第2工区内の宅地の一般分譲を行います。
こうしたまちづくりを進める上で必要な公共事業や各種開発事業の促進と円滑化を図るために、地籍調査事業や土地分類調査事業を引き続き進めて参ります。
また、扇ケ浜の総合的な整備につきましては、今後とも関係者の協力を得ながら進めて参りたいと考えております。
地域の自然、歴史、文化などの資源を生かし、市民が自ら取り組むまちづくりにつきましては、今後もまちづくりがんばれ補助金により支援して参ります。
さて、まちづくりを進めていく上で、交通網等社会資本の整備は欠かすことができない条件であります。高速道路は、
議員各位をはじめ多くの関係する方がたのご協力により、平成8年には御坊まで開通する予定であります。御坊・南部間につきましては、先日、路線発表と杭打ち式が行われましたが、これの早期完成に加え、同時に田辺までの開通を、国道42号田辺バイパスの延長とあわせて、今後も国、県に強く要望して参ります。
新南紀白浜空港は、本年度中に開港される予定でありますが、その利用促進などにつきまして、広域圏の中心都市として積極的に努力して参ります。
鉄道輸送につきましては、昨年末に、県下38市町村で構成する紀勢本線活性化促進協議会が結成されましたが、高速化や快適性、輸送力の増強などの利便性の向上について、協議会ともども関係機関に強力に働きかけて参りたいと考えております。
こうした高速、広域的な交通網の整備とともに、主要県道や市民生活に密着した道路の整備を進めなければなりません。本年も、神子浜33号線の改良をはじめ、市道や街路の整備を実施するほか、市内の主要道路であります外環状線(江川児童公園地内)の改良事業を実施いたします。さらに、市街地と新庄・白浜方面を直結する文里湾架橋につきましては、重要課題として今後とも積極的な取組みを進めます。
港湾施設の整備につきましては、文里港マリンタウンプロジェクト調査に基づき、港湾機能の拡充と産業活動の振興の立場から、引き続き検討を進めて参ります。
また、急務であります市街地での駐車場対策として、民間駐車場整備に助成を行って参ります。
市民生活の安全を確保し、防災能力の高いまちをつくるために、治水対策として、八町川、大谷川、馬谷川の河川改修のほか、左会津川の多目的ダム設置を検討し、急傾斜地の崩壊防止、砂防工事等防災上の諸施策を促進します。また、海岸部では、高潮や津波に備え、海岸防災事業等の取組みを進めて参ります。
豊かなくらしとたくましい産業づくりでありますが、豊かなくらしを生み出し、若者が働き、定住できる地域社会を支えるものは、活力ある地域産業であります。
地域産業の活性化を目指すためには、将来の田辺市の産業構造はどうあるべきかを把握することが大きな課題でありますが、新たな産業構造形成のため、その第一ステップとして、新規産業の導入や既存産業活性化の基本方向づくりを中心とする可能性の調査をして参ります。
本市の基幹産業の一つであります農業につきましては、長引く景気低迷による消費の減退やウルグアイ・ラウンドの農業合意に伴い、今後、輸入農産物の増大が見込まれるなど、情勢は厳しさを増しております。
こうした状況に対処するためには、時代に即応できる生産・販売体制の確立と国内外の競争に打ち勝てる産地の形成強化を急ぐ必要があります。このため、農産物集出荷施設の充実に努めるとともに、梅とみかんを柱とする果樹複合経営の一層の強化を図らなければなりません。土地基盤の条件に恵まれない本市にとりましては、次代の後継者確保のためにも、引き続き南紀用水事業の一層の推進や樹園地の改良・農地造成・区画整理・農道網の整備等による優良農地の確保が最重要課題であり、本年度においても農家の理解と協力を得ながら、計画的な生産基盤整備を進めて参りたいと考えております。
また、被害の拡大が深刻になっている梅衰弱症については、その原因究明と有効な対策の実施に、大学・県・農協等関係機関・生産者と一致協力して積極的に取り組んで参ります。
さらに、近代的な農業経営を実践できる経営者の育成のため、農業教育振興基金等を活用して、後継者や女性の研修活動の充実に努めます。
近年、生産基盤と生活環境を一体的に整備し、働きやすく住みよい農村環境を形成する農業農村整備事業がますます重要になっておりますが、本年度も中山間地域農村活性化総合整備事業、農村活性化住環境整備事業及び農業集落環境整備事業の実施により、豊かな環境の創造と活力ある農業農村の形成を図って参ります。
一方、木材需要の低迷などにより、林業の停滞が続いておりますが、森林組合と連携し、生産活動の活発化と労働力の確保に努めるとともに、森林のもつ公益的機能の維持増進を図るため、計画的な森林施業の推進、林業技術者の育成に取り組みたいと考えております。
また、本市が発祥の地である備長炭による山村地域の活性化を図るため、製炭技術伝承施設を中心とする紀州備長炭記念公園の整備を秋津川地区で進めて参ります。
次に、水産関係でありますが、近年の水産業を取り巻く環境は、漁獲量が一定しないこと、漁業者の後継者不足に伴う高齢化等厳しい状況にあり、水産資源の確実な増殖、漁業経営の安定等が急務となっております。そのため水産資源の確保と維持増殖を目的に、投石による増養殖場造成改良事業を実施するとともに、継続してイセエビの放流事業、ヒラメ、マダイに加えて本年度から新たにイサキの中間育成並びに放流事業により「つくり育てる漁業」を推進して参ります。
また、芳養漁港区域内集落再編整備事業につきましては、防災対策、住環境の整備、漁業振興の3点を基軸に、引き続き漁港修築事業を実施するとともに、漁業集落環境整備事業にも積極的に取り組んで参ります。
さらに、近年の余暇時間の増大に伴う海洋レジャーの普及により、漁港内に遊魚船やプレジャーボートの無秩序な係船が増加していることに鑑み、遊魚船の漁港利用にかかるルールづくりについても、漁業関係者及び海域利用者と協議を重ねて参りたいと考えております。
商業につきましては、時代とともに消費者ニーズの多様化とモータリゼーションの進展等による郊外への商業集積傾向が進み、加えて、最近の消費不振などにより商業環境が一層厳しさを増す中で、市街地商店街の活性化を図ることが大きな課題であります。
現在、市街地のまちづくりや商業の目指すべき方向などを織り込んだ商業集積整備基本構想の承認手続を進めておりますが、この基本構想をもとに、商店街の近代化を図るための高度化事業、買物客のゆとり空間を創設するために実施しているセットバック事業の活用の促進を図るとともに、新たに創設する商業環境改善施設整備費補助制度の利用などを促進し、商店街が取り組んでいる活性化事業、共同事業等を積極的に支援して参りたいと考えております。
工業につきましては、中小企業対策といたしまして、本年度も各種利子補給制度及び信用保証料補助制度を実施するとともに、商工業診断指導事業を行い、中小企業の経営の安定と、その振興を図って参りますほか、高度化事業による集団化、共同化を促進し、中小企業の経営改善を図って参ります。
地場産業対策といたしましては、需要開拓事業を支援するとともに、業界ビジョンの実施状況を把握し、現況に即した新規振興施策の創設を図って参りたいと考えております。
雇用対策につきましては、雇用促進奨励金制度の活用を促進することにより、高齢者等の雇用の開発に努めるほか、若者の定着化に向けた人材確保促進事業を、広域的にさらに充実を図り、共同作業場におきましても、引き続き協力企業との連携を図り、雇用の安定と就労条件の改善に努めて参りたいと考えております。
また、観光につきましては、トータル産業として地域経済に及ぼす影響は大きなものがありますので、さらに観光協会や関係団体との連携を密にし、観光施策を推進して参ります。
特に、観光資源の整備につきましては、平成2年度から整備を進めて参りました、ひき岩群ふるさと国民休養地整備事業が完了いたしますので、ふるさと自然公園センターに自然観察指導員を配置し、管理運営体制の確立を図るとともに、新たに夜間照明器具を設置し、夜桜の観賞や夏の夕涼みにも利用できるよう施設の充実を図るなど、さらに多くの人びとに憩いの場として利用していただけるよう整備して参ります。
観光PRの強化充実といたしましては、JR西日本鉄道和歌山支社のご協力により、
紀伊田辺駅舎内へ観光案内所を設置することになりましたが、今後とも観光協会等と連携を図りながら、本市の観光案内やPRにより、一層努めて参りたいと考えております。
なお、平成6年度から市民総参加のまつりとして、新たなスタートを切った弁慶まつりにつきましては、より発展のため積極的な支援をして参りたいと考えております。
すこやかで生きがいのある社会づくりでございますが、市民の皆さん方が待望して久しかった保健・福祉・生涯学習の総合センターがいよいよ開館いたします。
市民一人ひとりが生涯にわたって心豊かに、健康で明るく共に暮らしていくため、福祉の充実や健康づくり、生涯学習を推進する場として、この市民総合センターには、保健センター、福祉センター、在宅サービスセンター、生涯学習センターのほか、田辺広域休日急患診療所を設置し、新たな時代のニーズにこたえる市民福祉の拠点として、新たな機構により「あたたかみとやさしさ」を実感できる社会を実現していくためのさまざまな事業を実施して参ります。
まず、健康づくりについては、健康教育等を通じて、「自分の健康は自分で守る」という意識を高めるとともに、保健センターを拠点として老人保健事業、母子保健事業、予防接種事業等を実施し、保健事業の充実と検診体制の強化を図り、受診率の向上に努めて参ります。
市民一人ひとりが主人公の地域福祉の振興は、重要な課題であります。田辺市社会福祉協議会が取り組まれている「ふれあいのまちづくり事業」に引き続き助成を行うとともに、地域での先導的な福祉事業の地域保健福祉推進補助金による支援や、社会福祉法人等の施設整備に対する助成制度による福祉施設の充実などに引き続き努めて参ります。
「田辺市障害者にかかる新長期計画」は、平成6年度に策定作業が完了することになっておりますが、この計画は、今後の障害者施策の基本的方向を示す指針となるもので、本市の総合計画との調整を図りながら、総合的な障害者施策の充実に努めて参ります。
さらに、福祉センターを障害者や高齢者のための憩いと交流の場として活用を図るとともに、社会参加の基盤となる生活環境の整備を図るため、「障害者にやさしいまちづくり事業」を引き続き実施いたして参りますほか、障害者の就労の場の拡大・充実を図るため、小規模通所授産施設の運営に対する補助金の増額を行い、身体や精神に障害をもつ人びとの地域社会への自立を支援して参ります。
また、本年度から新たに、重度視覚障害者の情報入手手段の一つとして、点字新聞の購読者に対して、その費用の助成を行うとともに、中途失聴や難聴の方がたへの意思伝達のために、要約筆記奉仕員派遣事業を実施し、障害者の日常生活の便宜や社会参加の促進を図って参ります。
長寿社会への対応といたしましては、「田辺市高齢者保健福祉計画」に位置付けておりますように、市民総合センターを在宅福祉の拠点として活用し、在宅介護等に関する総合的な相談に応じるとともに、増大する介護等に関するニーズに対応して、各種の保健福祉サービスをお互いに連携を保ちながら、総合的に提供できるよう体制を整備いたします。
在宅サービスセンターにおいては、新たにデイサービス事業を開始し、在宅の虚弱老人や寝たきり老人等、さらに身体障害者を対象に通所又は訪問による入浴、給食、機能訓練などの各種サービスの提供を行い、要援護老人等及びその家族の福祉の向上に努めます。
さらに、高齢者の生きがいと健康づくりを推進するため、健康づくり講演会の開催やスポーツ・レクリエーション活動、三世代交流活動等の高齢者の地域活動の振興に努めます。
近年の少子化の急速な進行は、将来の社会経済全体への大きな影響が懸念されております。また、就労女性の増加により、保育需要が多様化するとともに、家族構造の変化に伴い家庭の育児機能等の低下が来しております。
このような状況の中で、年々需要が増加している乳児保育については、本年度から公立、私立各1園で実施し、園舎が老朽化している稲成保育所では、ゼロ歳児保育ができる乳児室や、将来を見通した地域福祉の観点から、今年度の改築を機に地域住民との交流ができる多目的ホールも設置します。
少子化社会への対応として、
乳幼児医療費の支給では、支給対象を1歳児未満から3歳児未満へ拡大するとともに、所得制限を廃止し、乳幼児の健康と医療確保の充実を図るほか、従来の
母子家庭医療費の支給対象に父子家庭を加え、ひとり親家庭医療費として支給することにより、生活基盤の安定と児童の健やかな育成を図ります。
生活保護につきましては、長期化している経済不況により、雇用情勢に改善が見られず、高齢化社会の到来による保護期間の長期化と相まって、保護率の上昇が懸念されますが、関係機関や民生児童委員との連携を図り、ケースごとにきめ細かな対応によって、生活保護の適正実施に努めて参ります。
老人保健医療につきましては、高度医療や長期治療を必要とする成人病等の増加により、医療費が大幅に伸びていますが、引き続き病気の予防から治療、機能訓練に至る総合的な保健事業を充実させ、老後における健康の保持と適切な医療の確保を図り、老人福祉の増進に努めます。
なお、滝内福祉エリアにおいて、整備を計画している複合老人福祉施設につきましては、国庫補助の確保を見極めながら、建設にとりかかりたいと考えております。
市民生活の安全を確保することは、市政の基本であります。
本市が、平成5年度から取り組んでいる高度救急業務をさらに充実し、市内全域で24時間運用が可能となるよう、消防北分署に高規格救急車を配備するとともに、救急救命士を養成し、より一層、市民の救命率の向上に努めて参ります。
阪神・淡路大震災を教訓として、災害に対して的確に対応することが求められています。そのために耐震型の飲料水兼用の貯水槽設置を検討するとともに、消火栓、防火水槽の充足を図り、災害に強いまちづくりを推進して参ります。また、食糧等の備蓄につきましても、現備蓄に加え、乾パン、毛布、防水シートの相当量の備蓄を行うとともに、炊き出し用の炊飯器を購入いたします。
地域防災の要であります消防団におきましては、迅速な災害対応ができるよう消防自動車等質機材の整備を進めて参りますほか、市民の防火防災意識の高揚、啓発や、婦人防火クラブ及び幼年消防クラブの育成に努めて参ります。
次に、国民健康保険事業につきましては、医療費の増加等で、本事業会計は極めて厳しい状況にあります。これの安定化を図るため、医療費の適正化及び収納率向上に努力し、同時に国に対しても制度の抜本的な対策を講じるよう引き続き要望するとともに、本年度においてもミニ・ヘルスパイオニアタウン事業を実施し、健康の重要性を啓発することにより「安心して暮らせるまちづくり」の実現と事業の安定化を図って参ります。
また、公立紀南病院組合に対しましても、従来から地域医療の確保のために繰出しを行っており、組合においても経費の削減等経営の健全化に努めておりますが、依然として不採算部門もあるなど、当病院を取り巻く経営環境には厳しいところがあります。したがって、本年度も引き続き経営の健全化を支援して参ります。
同和対策事業につきましては、「地対財特法」の期限も余すところ2年間となり、国や県、そして地方自治体において一定の方向付けがなされる時期となって参りますが、本市においても、これまで取り組んで参りました同和対策事業により、住環境整備や産業就労対策事業については、ほぼ完了の域に達したところであります。
今後は、田辺市同和対策委員会から平成6年3月提出されました「法以後の在り方について」の答申に基づき、広く市民に周知を図るとともに、市民合意の上に立った施策を国や県と緊密な連携のもとに展開して参ります。
また、隣保館事業につきましては、地元住民だけでなく、幅広い市民学習・健康増進・教育文化活動等の館として利用を図るとともに、これまでに実施してきた施策についても十分検討・精査をしながら事業の充実に努め、市民の理解と合意を得た円滑な運営を目指して参ります。
なお、「田辺同和史」編さん事業につきましても、年次計画に基づき、本年度は「分野(領域)編」の発刊をするとともに、順次、発刊を目指して参ります。
やさしく、うるおいのある環境づくりでございますが、地球規模で、また将来にわたって広がりをもつ今日の環境問題は、喫緊の課題であります。
きれいな水や空気、恵み豊かな自然と環境を守り続けていくことがわれわれの責務であり、計画的に関連施設の整備を進めて参りますとともに、市民の皆さんのご協力をいただきながら、一体となって快適な環境づくりに取り組んで参ります。
し尿処理につきましては、陸上処理施設が現在、試運転中でありますが、本年4月から従来の海洋投棄に代わって本格稼働に入ることから、今後は関係町村とともに、その管理運営に万全を期したいと考えております。
ごみの処理にかかる新焼却場の建設につきましては、本年度中に完成し、来年4月から稼働する予定であり、懸案の最終処分場の建設につきましても、引き続き推進して参りますが、施設が完成するまでの間、現焼却炉の維持補修とごみ埋立地の延命に最善を尽くして参ります。
また、ごみの減量化など、ごみ処理に対する啓発活動と並行して、平成5年10月からごみ分別指定袋モデル事業を、ひがし公民館区内、約2,600世帯を中心に実施して参りましたが、一定の成果があがっていますので、本年10月から全市一斉に、ごみ分別有料指定袋事業を実施して参ります。これに伴い、ごみ処理手数料体系を定額制から従量制に変更するとともに、資源集団回収事業実施団体奨励補助金を増額することにより、ごみ分別の徹底、リサイクル運動の推進等、市民の
皆様方の一層のご協力をお願いし、ごみの減量化に取り組んで参ります。
次に、水質浄化対策でありますが、水に対する意識も年々高まっておりますが、市内の主要河川や海の水質汚濁状況は、ここ数年横ばいの状況であります。水質の浄化、保全対策事業を推進するために、水をきれいにする運動を全市的に盛り上げ、現在取り組んでいる各家庭への、ろ紙袋使用の普及啓発に「田辺市環境浄化推進協議会」と協力して、積極的にその実践運動の推進に努めて参ります。
また、合併処理浄化槽の設置につきましても、宅地造成により義務付け開発地域が増大し、これに新築家屋の増加もあって、補助申請の増加が予想されますが、生活排水処理施設整備をより推進することにより、河川水質を改善し、ふるさとの誇りである田辺湾を美しくするために、合併処理浄化槽の普及に積極的な取組みを進めますとともに、農業集落排水事業につきましても、引き続き7地区で実施して参ります。
公共下水道につきましては、長期的な展望のもとに本年度から、公共下水道準備室を設置し、事業の着手に向けて必要な手続や、市民の皆様の認識理解を得られるよう逐次啓発を進めて参ります。
次に、市民が憩える文化的活動を楽しめる場として、整備を進めている新庄総合公園につきましては、本年度にはその一部が市民の
皆様方にご利用できるよう取組みを進めて参りますが、そのほか市街地においては、公園緑地が不足している中、歴史上、貴重な田辺城水門跡を保全することにし、あわせて潤いを感じさせるスペースを確保するため、錦水公園の整備を行います。
また、新庄町内之浦の干潟につきましては、より自然に親しむ公園を中心として、周辺の環境整備を引き続き実施して参ります。
このほか、緑化につきましては、快適な生活空間の確保を目的として、平成4年度から「田辺市みどりの基金」を財源とした、生け垣づくり補助金、みどりの保存事業、みどりいっぱい運動助成事業を行っており、年々利用されている方も増加しています。今後も、さらに啓発し、一層の利用によって緑豊かなまちづくりを進めて参ります。
水道事業につきましては、本年度は全国的に上水道開設100年を迎える年でありますが、本市におきましても既に55年を経過し、建設・拡張の時代から維持管理への時代に移行しつつあります。このため、本年度においても、老朽配水管については、耐震制のあるダクタイル鋳鉄管や衝撃性に強いビニール管への布設替えを実施いたします。
また、災害に備えて、現在、給水タンク、ポリ容器等を備えておりますが、さらにこれらの資材の充足を図るとともに、施設の的確な情報管理を進めるために、上水道施設管理システムの導入に着手して参ります。
心豊かな人づくりと香り高い文化の創造でありますが、教育行政の推進は、社会発展の基盤を支えるためであり、次代を担う青少年の育成は極めて重要な課題であります。このため、教育の充実と環境整備には、本年度もさらに努力して参ります。
まず、学校施設整備事業につきましては、明洋中学校校舎建築事業のうち、校舎本体は既に完成しておりますが、本年度は、武道場の新築及び屋内運動場の改修を行い、全体事業を完成させて参りますほか、長野小学校、芳養小学校等の改修を進めて参ります。
また、ファクシミリは、昨年から各校に順次配置しておりますが、本年度で全校に設置する予定であり、新たに年次計画で小・中学校の保健室にクーラーを設置して参りたいと考えております。
さらに、英語指導助手招致事業の充実、不登校やいじめ対策事業、学校五日制への対応に努めるとともに、教職員の国内外研修に対する助成を行って参ります。児童生徒用図書の充実、体育文化活動の児童生徒派遣費補助など、教育費に係る父兄負担の軽減にも努めて参ります。
次に、市民誰もが生涯にわたって健康で心豊かな、生きがいのある人生を送ることかできる生涯学習の推進につきましては、生涯学習センターの開館に伴い、この施設をより多くの市民の皆さんに学習の場として提供したいと考えており、青少年や女性のための施設、生涯学習の推進の場として位置付け、それぞれ十分なスペースを確保し、それぞれ分野ごとの事業を積極的に展開して参ります。
青少年教育では、子どもクラブを中心とした活動やスポーツ少年団、ボーイスカウト等のほか、青少年育成市民会議の活動を推進して参ります。また、青年団体の沈滞化に対応して、青年指導者の発掘と魅力ある新規事業の開発に努めて参ります。
女性教育につきましては、田辺市婦人団体連絡協議会等の活動をはじめとして、女性リーダーの養成のための研修会を開催するほか、地域や職域等で活動している女性団体やグループのネットワーク化により、相互の情報交換、交流を図って参ります。
また、生涯学習モデル市町村事業を活用して、学習情報の提供や学習相談事業の充実を図って参りますが、この場合、事業やイベント、講師などの情報の収集とデータベース化を図ることが大切で、図書館や公民館、その他の生涯学習関連施設とのネットワーク化を進めるとともに、これらの情報をもとに、学習教材やプログラムの開発、先進地事例の紹介など、市民の相談に応じて参ります。
さらに、生涯学習推進事業基金を活用し、市民貸出し用の学習機材の整備を図るとともに、学習活動助成事業として、地域・福祉・教育活動等を行う団体・サークルに助成して参りたいと考えております。
生涯学習推進体制の確立につきましては、庁内の生涯学習推進委員会の充実を図るとともに、市民組織との連携をはじめ、広く市民の声を反映させながら、計画的に生涯学習の場と機会が提供できるよう努め、地域での学習活動の拠点として、万呂公民館区にコミュニティセンターの建設に取り組みます。
さらに、「田辺市ふるさと文化振興基金」を生かし、格調ある伝統文化の継承や市民の自主的、創造的な芸術文化活動の振興に努め、「生涯学習のまちたなべ」を目指して参ります。
なお、
美術館の事業につきましては、開館に向けて美術作品の収集等に鋭意取り組むとともに、周辺整備を含めた施設整備の充実に努めて参ります。
また、貴重な文化遺産を保存継承していくために、埋蔵文化財の発掘調査、伝統芸能の伝承活動の助成、講演会や企画展等の開催のほか、市民が文化財に愛着をもち、身近に接することができるよう、文化財の公開活用を一層推進して参りますとともに、市史編さん事業も引き続き進めて参ります。
市民の健康を守る生涯スポーツの振興につきましては、ニュースポーツを取り入れた大会の開催、各種教室や学習会の開講のほか、スポーツ団体の育成と指導者の養成とに加え、体育施設の整備充実を図りながら、健康づくり、体力づくりに努めて参りたいと考えています。
同和教育につきましては、すべての市民が幸せに生きることができる社会を築くために、基本的人権を保障する憲法並びに田辺市同和教育基本方針に基づき、市民の人権意識の啓発高揚に努めて参ります。
人びとを魅了し、今なおブームを呼んでいる南方熊楠翁の顕彰事業につきましては、第5回南方熊楠賞授賞式をはじめ、資料等の保存整備、蔵書調査、歴代受賞者の講演内容の冊子化など、民間の方がたと一体となって、顕彰事業を進めて参りたいと考えております。
国際化は、私たちの日常に密着した形で急速に進行しています。
現在、田辺国際交流協会をはじめとした市民による活発な交流活動が諸外国の間で続けられておりますが、本年も田辺市国際交流基本計画に従い、国際交流推進
補助金等により、市民の自主的な交流活動を支援するとともに、国際交流シンポジウムの開催などを通じ、国際理解の高揚を図って参ります。
また、友好都市ワイオン市との提携は、平成7年度をもって一旦終了します。そこで、本年度において、提携3周年記念事業を実施し、両市の現在までの交流成果や実績を検討し、提携更新について考えて参ります。
冒頭に申し上げたとおり、本年は、終戦後50周年という節目の年であります。
顧みれば、過ぐる大戦にはかけがえのない多くの人命を奪い、経済、生活基盤等の財産に大きな損害を与える結果となりました。そうした苦難の時代から、われわれ国民は、平和な世の中の再建に全力を挙げて取り組んで参りました。
平和の大切さや戦争の悲惨さを次の世代に継承していくことが、現在に生きる私たち一人ひとりに課せられた大きな使命であるといえます。本年度はこうした機会をとらえ、(仮称)平和の集いや(仮称)平和のための戦争とくらし展などを開催し、市民の皆さんとともに恒久平和の重要性について、十分考えて参りたいと存じております。
以上で、平成7年度の施策の重点と事業概要の説明を終わりますが、一般会計の予算額は261億1,000万円で、前年度と比較いたしまして8.3パーセント、20億円の大幅な増となり、これに
特別会計と企業会計を合わせた予算総額は、406億1,346万円となります。
詳細につきましては、関係部長から説明をいたさせますので、何とぞご審議の上、ご賛同くださいますようお願い申し上げます。
平成7年3月2日
田辺市長 脇中孝
(市長 脇中 孝君 降壇)
○議長(
熊野芳和君) この場合、お諮りいたします。
本日の会議はこの辺にとどめ延会し、明3月3日午前10時から再開いたします。
これに異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(
熊野芳和君) 異議なしと認めます。
よって、さよう決しました。
なお、一般質問の通告につきましては、本日午後4時までに事務局へ提出願います。締め切り後、午後5時から抽選により質問順位を決定いたしまして通知申し上げます。
延 会
○議長(
熊野芳和君) それでは、本日はこれをもって延会いたします。
ご苦労さまでございました。
(午後0時08分)...